クリスマスの物語
 するとまた、突然たくさんの天使があらわれ、神さまをさんびして歌いました。「いと高きところには、栄光、神にあれ。地には平和、み心にかなう人にあれ。羊飼いたちは急いで行って、飼い葉おけに寝かせてある赤ちゃんを見つけました。

 もうすぐその子が生まれるというころ、全世界の人口調査をするようにという命令が、ローマの皇帝から出されました。ダビデ王の子孫であったヨセフも、マリアを連れて、ダビデの町ベツレヘムへと旅立ちました。
 ベツレヘムにはたくさんの人が集まっていました。二人が着いたときには、どこの宿もいっぱいです。そこで二人はしかたなく、家畜小屋に泊まることにしました。

お告げ

マリアはとまどいながら言いました。「どうして、そんなことがありえましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに。」天使は答えました。「聖霊があなたにくだり、神さまの力があなたを包みます。神さまにできないことは何ひとつありません。
 天使の言葉に、マリアも答えて言いました。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」

 学者たちはひれ伏してイエスさまを礼拝しました。そして、宝ものの箱をあけて、黄金と乳香ともつ薬を贈り物としてささげました。その後、彼らは自分たちの国へ帰って行きました。
 あるとき、このマリアのもとに、主の天使ガブリエルがつかわされました。ガブリエルは告げました。「あなたは身ごもって男の子を生みます。その子をイエスと名づけなさい。その子は救い主と呼ばれるでしょう。」
その夜、マリアは男の子を生み、布にくるんで飼い葉おけに寝かせました。
これが、いちばん初めのクリスマス、イエス・キリスト誕生の物語です。



 今から2000年ほど前のこと、イスラエルのナザレの町に、マリアという
おとめが住んでいました。マリアは貧しい大工のヨセフと婚約していました。

飼い葉おけのイエスさま
イエスさまの誕生を知る人はだれもいませんでした。ただ、近くの野原で羊の番をしていた羊飼いたちのところに、主の天使があらわれて言いました。「民全体に与えられる大きな喜びを告げましょう。今日、ダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。」
学者たち

 イエスさまがお生まれになったとき、一つの星が夜空に明るく輝きました。東の国の学者たちは、この星を見て、ユダヤ人の王が生まれたのだと考えました。そして、その王を礼拝するため、ユダヤの地へと旅立ったのでした。エルサレムに着くと、学者たちは、新しく生まれた王はどこにいるのか、ヘロデ王に聞きました。ヘロデ王も、エルサレムじゅうの人々もたいへん驚きました。
 しかし、ヘロデ王は、学者たちをベツレヘムに向かわせ、その王のことを調べて知らせるように命じました。
学者たちが出発すると、東の国で見た星がもう一度あらわれ、彼らをイエスさまのいるところまで導きました。星の示した家には、幼な子のイエスさまと母マリアがいました。

このように、貧しく身分の低い人たちが、最初にイエスさまを礼拝するために招かれたのでした。