もうすぐその子が生まれるというころ、全世界の人口調査をするようにという命令が、ローマの皇帝から出されました。ダビデ王の子孫であったヨセフも、マリアを連れて、ダビデの町ベツレヘムへと旅立ちました。
ベツレヘムにはたくさんの人が集まっていました。二人が着いたときには、どこの宿もいっぱいです。そこで二人はしかたなく、家畜小屋に泊まることにしました。
マリアはとまどいながら言いました。「どうして、そんなことがありえましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに。」天使は答えました。「聖霊があなたにくだり、神さまの力があなたを包みます。神さまにできないことは何ひとつありません。
天使の言葉に、マリアも答えて言いました。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」
今から2000年ほど前のこと、イスラエルのナザレの町に、マリアという
おとめが住んでいました。マリアは貧しい大工のヨセフと婚約していました。
イエスさまがお生まれになったとき、一つの星が夜空に明るく輝きました。東の国の学者たちは、この星を見て、ユダヤ人の王が生まれたのだと考えました。そして、その王を礼拝するため、ユダヤの地へと旅立ったのでした。エルサレムに着くと、学者たちは、新しく生まれた王はどこにいるのか、ヘロデ王に聞きました。ヘロデ王も、エルサレムじゅうの人々もたいへん驚きました。
しかし、ヘロデ王は、学者たちをベツレヘムに向かわせ、その王のことを調べて知らせるように命じました。学者たちが出発すると、東の国で見た星がもう一度あらわれ、彼らをイエスさまのいるところまで導きました。星の示した家には、幼な子のイエスさまと母マリアがいました。